THE BRIDGEシーズン2の感想です。
シーズン1のあらすじ
デンマークとスウェーデンをつなぐオーレスン橋に置かれた切断遺体から始まった、連続殺人事件はマーティンに恨みを持った元同僚による犯行でした。犯人は逮捕されますが、一連の事件でマーティンは息子を亡くし、シーズン1は幕を閉じました。
シーズン2のあらすじ
はじまり
再びオーレスン橋から事件が始まります。
橋に向かって進む一隻の船に管制塔の職員が気づきます。
針路を変更するように警告しますが、船は呼びかけに応答しません。
このままでは船が橋に衝突してしまうので、橋は閉鎖され、船は橋に衝突。
マルメ警察のサーガが現場を確認しにやってきます。
船の中に入ると5人の若者が拘束され意識がない状態で見つかります。
5人は病院に運ばれますが、すぐに3人は死亡し、意識不明だった二人も意識を取り戻しますが、意味不明な言葉を繰り返し、その後に死亡します。
解剖した結果、全員が肺ペストという研究所などにしかない病気にかかっていることがわかります。
それとほぼ同じときにあるサイトで、この事件を起こしたと思われる人物たちの犯行声明が配信されます。
彼らによると、ある国で起きた伝染病を隠蔽したことへの報復のようです。
その後も彼らによって報復が次々と行われます。
彼らは誰で、何を目的に行動しているのか、サーガとマーティンが再びタッグを組んで捜査します。
心を病んだマーティン
前回の事件で息子を失ったマーティンは心を病み、職場は警備担当に移り、カウンセラーに通っています。
一見立ち直ったように見えるのですが、橋を渡ろうとすると事件のことが蘇り、悲しみがこみ上げます。
この状況を乗り越えるため、息子を殺した元同僚のイェンスとの面談を始めます。マーティンの目的はイェンスの心の中に入り込み、罪を認めさせること。元同僚なので、今回発生した事件の相談を持ち出して心を通わせようとします。
サーガの過去
マーティンがある事件をきっかけにサーガの過去を調べたことによって、シーズン1ではあまり語られなかったサーガの過去が少し明らかになります。
サーガについてあまり詳しい情報は載っていなかったようですが、母親が代理ミュンヒハウゼン症候群※で、妹が自殺していることが明らかになります。
※周囲の同情をひく又は自分を褒めてもらいために、自分の子どもを傷つける(病気にさせる)症状
感想
環境問題がテーマ?(ネタバレあり)
事件を起こしたテロリストたちは、伝染病の隠蔽、環境汚染、動物実験など環境問題を一貫して訴えていました。
この集団の黒幕の一人は製薬会社の研究者でした。環境問題への取り組みが各国で一向に進まないことを憂い、今のリーダーを一掃して新しい体制を作るために行動していました。
サーガによって、その計画は阻まれてしまったのでその後どうするつもりだったのかは不明ですが、トップが変わったからといって物事が彼女の思うような方向に変わるとは限らないかもと思いました。
彼女ともう一人の黒幕の会話からもっと先のことまで考えがあるような雰囲気だったので、テロリストはもっと大きな集団なのかもしれません。
最後まで不透明な展開
1シーズンを通して一つの事件の解決を丁寧に描き、最後まで先行きが不透明な展開はシーズン2でも健在です。
今回は事件の構成が複雑で、事件に関わる人々が何人もいます。
一見事件と関係していなさそうな登場人物たちのストーリーも同時に進行していきます。話が進むにつれて関係性が明らかになってくるので、どういう関係なのか見守ります。
事件が解決した!(2回くらいそう思った瞬間があった)と思っても、最終話まで状況が二転三転する深い構成になっています。
シーズン1と同様に劇的なひらめきや奇跡はなく、証拠を丁寧に調べることの積み重ねで事件が解決していきます。一見辻褄があっているように見えても、突き詰めると矛盾が発覚するシーンなどは、ちょっとリアルに感じました(普段の仕事でもそういうことが時々ある)。
意外な結末(ネタバレあり)
とても意外だったのがマーティンが最後に犯罪を犯してしまったこと。
イェンスとの面会で罪を認めさせ、マーティンの精神状況もだいぶ回復したのですが、その後妻のメッテにやり直せないと告げられ、再び悲しみに沈み、イェンスを恨むようになります。
事件で回収した毒薬を使いイェンスに復讐を果たしたことを、サーガに見破られ逮捕されます。
サーガの心の支えになっていた良い相棒だったし、私が唯一共感できる主人公だったのでとても残念でした。
この事件は完全に解決しなかったので、次のシーズンに続くのでしょうか。
最近amazon primeでシーズン3が配信されたので続けて見たいと思います。