思いついたときに書く日記

ふと思ったことや趣味のことを気ままに書いています

暮らしを手づくりする 鳥取・岩井窯のうつわと日々

今日はちょっと前に読んだ本の話です。

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鳥取県の岩美町でうつわを作られている山本教行さんの本です。

朝のお絵かきタイムで鳥取のうつわの絵を描くために色々調べていていた時に偶然この本を見つけ、読んでました。

 

山本さんが陶芸の道に進んだきっかけ、生活していくのに苦労したこと、ものづくりに対する気持ち、器を作る原動力となっているもの、好きなことなどが語りかけるような優しい言葉で綴られています。

 

共感することがたくさんあったのですが、印象に残ったお話を一つだけ。

 

この本の中で器の良さは使い続けなければわからない。という言葉がありました。

よく使われる器は渋みや艶が増して生き生きしているのだそう。

「使うほど艶が増すのは革製品に似ているかも。器を毎日使うとどう変化して行くのだろう」と興味が湧きました。

とは言え、なかなか買いにいけない場所で購入した器は、壊れたら2度と巡り会えないかもしれないと思うと普段使いをするのは躊躇してしまいます。

そういった私の考えを見透かしているのか、その後に「壊さない」を考えるという文章が続きます。

 

岩井窯では小さな子どもたちのための名前入りのご飯茶碗を作っているそうです。

陶器は壊れやすいので危ないと思われるかもしれませんが、子どもでも壊れやすいものを認識し、壊れないように取り扱うことができるそうです。

小さな頃からものを上手に取り扱う力を学ぶ機会も必要と書かれていました。

 

私も小さい頃はプラスチック製の食器で食事をしていました。

大人になっても、ガラスや陶器を割ってしまうことが時々あり、壊れにくい食器を選んで使っていました。

器に興味を持って使うようになってから、今までの自分のものの扱い方が雑だったことを実感するようになりました。不注意で割ったと思っていたものも、もしかすると扱いが雑で割っていたのかもしれないと思いました。

そのことに気付いてから食器に限らず色々なものの取り扱い方がすこしづつ変わっていったので、壊さないように取り扱う練習は確かに必要なのかもと感じました。

 

大切に取り扱っているものでも、いつかは壊れたり、意図しない出来事で失ってしまうこともあります。

山本さんも災害に遭い今まで自分が作ってきた工房が流されたことがありました。そんな時に友人の一言から学んだ、大切なものをなくしてしまった時の考え方も別の章で教えてくれています。

この本は去年(2019年)の11月末に出版された本ですが、まだ以前の状態には戻れていない今の状況と重なり、不思議な巡り合わせだなと思いながら読みました。

 

困難を乗り越えながら、山本さん自身が心地良いと思うものを集めた空間、岩井窯にいつか行ってみたいです。

 

www.hanmoto.com