去年の12月に発売された三國さんの新刊I PLAY KNITの感想です。
三國さんファンの間では賛否両論があるみたいです。
I PLAY KNITの内容
三國万里子さんの新作16点が収められています。
本はA4サイズで作品の迫力を、本でも感じやすい大きさです。
作品紹介ページは一般的な編み物本よりも少し多めの、1作品2〜4ページにわたって紹介されていて、色々な角度から作品の雰囲気を見ることができます。
作品のパターン、基本の編み方の図解(カラー)に加えて、特殊な編み方については写真の説明(カラー)と動画がついています(QRコードを読むと動画を見ることができる)。また、パターンの横でマスコットのまりこさんとハリネズミさんが編み方のコツ(この部分はこういう加減で編むなど、普通の編み物本では説明されない細かなアドバイス)を教えてくれていて、初心者でも取り組みやすい本になっています。
三國さんの大好きなものが詰め込まれた作品集
今回はニットのデザインだけではなくコーディネートまで手掛けられているそうです。
古着との組み合わせも考えてデザインされたものが多く、暮らしの中で見つけた三國さんの大好きな物をぎゅっと詰め込んだ三國さんらしい作品だなと感じました。
ユニークな作品も多く、作るだけではなく作品を見る楽しさもある本になっていると思います。
気軽に編めなくなった?
Amazonのレビューを見ると「指定糸がオリジナルのものばかりで手に入れにくく気軽に編めなくなってしまった」という意見が多かったです。
気軽に編めなくなってしまったというのは私もちょっとそうかもと感じるところがありました。
作品の半分はオリジナルの糸が使われています。
オリジナルの糸によって三國さんのイメージに近い作品が作れて良いと思う一方で、編む側が気になるのは糸の手に入りやすさ。指定糸が売り切れだったり廃盤になった場合、代替の糸を探すのが難しくなるので、気軽に編めないと感じるかもしれないと思いました。
ほぼ日への批判
三國さんもコメントされていましたが、私がちょっと気になったのは、ほぼ日への批判が結構あったこと。
気軽に編めなくなったことと少し繋がるところがあるかもしれませんが、ほぼ日から出版するようになってから、本や糸の価格が高くなってしまったというコメントが多かったです。
本の価格については文化出版局から出版されている過去の本と比べると少し価格は高くなっていますが、本を作るコストが昔とは変わったり、編み方の動画解説など今までにない工夫もあるので、私は価格に見合っているのかなと思いました。
糸に限らないけれど、製品の質や生産数で価格は変わってくるので、ほぼ日で作ったから高くなったわけではないと思うけれど...
今までの三國さんの本は市販のお手頃で手に入りやすい素材で作られるものが多かったので、気軽に編めなってしまったという不満がほぼ日への批判に繋がってしまったのかも。
指定糸以外で編んでもいい
指定糸で編めれば良いけれど、難しい場合は代替の糸を探して作品を作ってみたら良いのかなと思っています。写真でわかる素材の雰囲気や針の太さなどから近い糸を探す(推測する)のも楽しそうです。
編み物は編み直しやサイズの変更が比較的しやすいので、編み物にちょっと慣れてきたら指定に拘らずに全く違う糸で編んで雰囲気の違うものにアレンジする楽しみ(遊び)かたも有りかもしれないとも思っています。
長くなってしまいましたが、I PLAY KNITについての個人的な感想でした。