書きたいこと、いろいろ

ふと思ったことや趣味のことを気ままに書いています

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気になっていた展示をいくつか見てきました。

民藝ー美は暮らしのなかにある@世田谷美術館

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『民藝 MINGEI — 美は暮らしのなかにある』公式サイト

その土地の暮らしに寄り添う、日常で使われる手仕事の道具たち。そういった品々に美しさを感じ、民藝と名付け日本各地や海外をまわり収集した思想家・柳宗悦の視点と、現代の視点から民藝を見ていきます。

心に残ったのは倉敷ガラスを作っている小谷栄次さんの制作の様子。吸い込まれるような深い青色、厚みがあり、表面は少しぼこぼこしていて、ガラスなのにどこか温かみを感じる不思議な倉敷ガラス。吹きガラスの竿からガラスを切り離した時にできるポンテ跡を、手で触り確認しながら丁寧に削り取る様子は心に響くものがあり、こんなふうに使う人のことを考えた丁寧な仕上げは手作りだからできることなのかなと考えたりしました。

記憶:リメンブランスー現代写真・映像の表現から@東京都写真美術館

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東京都写真美術館

写真や映像が人の記憶をどう捉えるのかを 8人のアーティストの作品を通して考えていきます。

篠山紀信さんと米田知子さんの作品について考えてみると、篠山紀信さんの写真は、写したものを通してその時の湿度や温度や匂いを感じさせ、写真を写した時代に見る人を引き込み、米田知子さんの写真は、現在の風景とテキストを通して、その人の記憶を呼び起こし、今はないものを思い起こさせる(上の写真は現在はスケートリンクになった、旧満州鉄道の炭鉱の街があった場所)。

二人の写真は異なる方向からアプローチしているように見えますが、かつてあったものを写真で伝えるというところで共通しているのかなと思ったり、哲学的な展示でした。

自動化やAIの発展によって、手作りする意味や写真を撮る意味をふと考えることがありますが、この展示を通してその意味が少し垣間見えたような気がしました。