前から行きたいと思っていた日本民藝館に行ってきました。
日本民藝館は京王線の駒場東大前から徒歩5分ほどの場所にあります。
民藝館の入り口には大きなかめや、石の彫刻が並んでいます。
館内は写真撮影禁止なので、民藝館の良かったところを文章でできるだけ説明してみます。
一階
玄関
木造の温かな作りで、建物に入った瞬間にすごく落ち着く!(家に帰ってきたときのホッとする感覚)と思いました。
玄関は吹き抜けの大きなフロアになっていて外で見た感じよりも広く感じます。
スリッパに履き替え、木のフレームのガラス張りの素敵な受付へ。入館料を払います。
館内は順路はなく、自由に好きなところから見ていきます。
作品展示室
今の期間は新作工藝公募展が開催中で、準入選作が展示されています。
私が訪れた時は陶器、ガラス、曲げわっぱ、ストール、お正月飾りなどが展示されていました。
新作公募展の作品はなんと全て購入することができます。
準入選作の作品は、即日販売なのでその日のうちに引き取ることができます。
柚木沙弥郎の染色
染色家の柚木沙弥郎さんの作品が展示されています。今も精力的に活動をされている方です。
今年の6月24日まで行われていた「柚木沙弥郎の染色」ので展示されていた作品の一部を見ることができます。
色鮮やかでモダンな作品ですが、普段の生活で使ってみたいと思うような親しみやすさのある染物です。
ちょうど明日の日曜美術館で柚木さんの再放送もされるので見たいと思っています。
売店
民芸に関する書籍や、食器や紙製品、玩具、置物など色々な民芸品が販売されています。
私が気になったのは手毬と鳥笛。家に飾りたいと思ったのですが、飾り方が思いつかなかったので、今回は我慢しました。手毬はどうやって飾るものなんだろう。
前回銀座たくみで購入したふきんがありました。乾きが早く食器を拭くときに使い心地がいいのです。予備が欲しかったのですが、銀座たくみまで行かないといけないかなと思っていたので、ここで手に入ってよかったです。
二階
1925〜44年の濱田庄司
昭和を代表する陶芸家、濱田庄司の作品が展示されています。
この部屋には休憩できる椅子とテーブルがあり作品を座ってゆっくり見ることができます。
これらの家具も民芸品。実際に座って心地よさを体感できます。軽くて座り心地の良い椅子でした。
朝鮮時代の諸侯芸
私が心惹かれたのは色々な箱です。特に螺鈿の箱に惹かれました。貝の虹色の光沢がある部分を切り出して作られている箱で最初に、繊細な模様と貝の光沢の美しさとに惹かれます。よく見ると所々傷やシミが見られ、よく使い込まれていることがわかります。直感で見て欲しいという意図から説明書きがほとんどありません。繊細で美しい箱だから、綺麗な女性が大切なものを入れていたのかな使っていたのかなと想像が膨らみます。
聖像・仏像・彫像
日本や世界の聖像、仏像などが展示されています。
海外のイコン画なども展示されていましたがここに展示されているとちょっと東洋の要素を感じてしまうのが不思議です。
無地白磁と石工品
21_21DisighSightの民藝展で開催中の民藝展でも展示されていた水滴がありました。
民藝展の時は水滴単体で展示されていたので、何に使うものだろうと悩んだのですが、ここでは硯とセットで置いてあったので、墨汁を入れるものとすぐわかりました!水滴は形が様々で、置物にしても素敵だなと思ってしまいます。
展示室
新作公募展の受賞作と入賞作が展示されています。
陶磁器が3割、かごが3割、残りは布、木工品などといった構成でした。
私が気になったのは小ほうきです。緑色の稲の先が束ねられたもので、ちらほらお米が付いたままになっています。お米がアクセントになって飾っても素敵だなと思う作品でした。
受賞作と入賞作も購入することができます。予約販売で、会期中は展示されて、会期後に作品を引き取ります。
ほとんど一点もので、受賞作や入賞作は公募展が始まってすぐに売れてしまうようです(中には追加注文も受け付けているものもありました)。私がここを訪れたのは公募展が始まって5日目でしたが、受賞作・入賞作はほとんど買い手がついていました。気になる方は初日に見に行かれるのが良さそうです。
家具など製作に手のかかっている品物はそれなりのお値段ですが、食器などは気軽に購入できるリーズナブルな価格なのが嬉しいです。
最近寒くて外に行くのが億劫な今日この頃ですが、民芸品を見ていると温かさを感じます(館内もとても暖かいです)。今まで見たことがない独特な作風を見て、私も創作のアイディアがちょっと湧いてきたような気がしました。またときどき訪れたいなと思います。
今日行った場所:日本民藝館
新作工藝公募展は12/24まで。