寺島綾子さん監修のころんとかわいいちいさなてまりの会の作製記録です。
今月の手まりは「初虹」。
初虹は、春に初めて現れる虹のこと。
七十二侯の「虹始見(にじはじめてあらわる)」に対応した季語だそうです。
白地に紫のグラデーションのシックな手まりでした。
七十二侯で思い出した私の好きな一冊の本をご紹介します。
詩人、白井明大さんのエッセイ「七十二候の見つけかた | 株式会社 飛鳥新社」です。
これはジャケ買いした本で、普段あまり読まない分野でしたが、
昔、一年に七十二もの季節がありました。
という最初の一文でぐっと心が惹きつけられました。
季節感の全くない生活をしていた作者が「桃始笑(ももはじめてさく)」という七十二侯の季語を知ったことをきっかけに、細やかな季節の変化を感じながら過ごした日々をまとめたエッセイです。
季節を文章で表現する意外性や、咲くことを「笑う」と表現しているところが春がやってくる嬉しさが伝わってきてすごくいいなぁと思います。こういった表現の仕方に惹かれて、古典の授業が好きだったのかなと懐かしく思い出しました。
10月1日は七十二侯で「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」、虫が巣ごもりの支度をする頃。
私はまだしていないですが、衣替えの季節です。
今はどんな季節なんだろうと、季節の辞書として読んでみるのもいいし、自分の好きな季節(季語)を探しながら読むのも楽しい一冊です。
福田利之さんの表紙や挿絵も素敵です。
本の話が長くなってしまいましたが、今月の手まりの話でした。