今回勉強したのは袖。
文化服装学院の通信講座でも苦戦し、苦手だなと思っているパーツです。
型紙の教科書で苦手を克服したいです。
今回使う道具
袖周りの測定をするので曲がる縮尺定規があると測定しやすいです。
袖周りの測定
前AH(アームホール)、後ろAH、袖山丈、ひじ丈、袖丈を測定します。
原型に曲がる定規を当てて前AH、後ろAHを測定します。
袖山は人形の肩から袖ぐりまでの長さを測定。
ひじ丈と袖丈を測定します。
袖原型の作図
水平線と垂直線を引き、測定した前後AHから三角形を描きます。
このままでは袖にシワができてしまうので、自然な形になるように、ひじ丈の少し上あたりにかけて袖を少し絞ります。
原型と袖を合わせて試着
原型と袖を縫い合わせて試着してみました。
袖自体が腕にフィットしすぎてパツパツで、袖山もつっぱった感じです。
型紙の教科書にも全く同じ失敗例が記載されていました。
修正
袖が腕にフィットしすぎてしまう点については、袖下を少し下げる事で余裕を持たせます。
袖山がつってしまう問題は、肩幅を少し伸ばす修正をします。
この変更で前後のAHの長さが変わったので、修正に合わせて袖も作り直しました。
自分が洋服を着て、自分で修正するのは見えないところもあり(特に後ろは)、どこを修正すべきなのかを見つけ出すのがなかなか難しいけれど、人形ならどこがあっていないのか、じっくり見ることができるので意外と簡単に修正ができました。
修正後のトワルを試着
修正してもう一度試着します。
袖周りもちょうど良い余裕があり、袖もきれいに繋がりました。
これで袖の原型が完成です。
袖を作っていて気づいたこと
洋服と縫い方の順番が違うことに気づきました。
通常の洋服の場合、ダーツ、肩、脇、袖、袖周りの順に縫ってきますが、型紙の教科書では、型の次に袖周り、袖、脇の順に縫っていました。人形の場合、普通の洋服作りの手順で縫うと筒状になった袖周りを縫うときに縫いにくくなるからでした。
肩の次に袖周りを縫った方が袖周りをほぼ直線で縫うことができます。
小さい人形の洋服ならではの縫い方があるんだと勉強になりました。
そのほかの袖も作成
ノースリーブ、フレンチスリーブ、パフスリーブ、ドルマンスリーブ、ラグランスリーブなども作ってみました。
全てボディの原型と袖の原型をもとに作れます。
ノースリーブとフレンチスリーブ
ノースリーブは原型そのままの袖で、フレンチスリーブは原型の肩先を好みの長さに延長したもの。
ドルマンスリーブは原型の肩先を延長しただけです。首まわりも好みの広さにちょっと調整しました。
ドルマンスリーブは前後身頃が共通で、後ろ身頃さえ作るだけでいいので作図が楽ですが、型紙作りが難しかった...
ただブライスの腕は水平方向には動かないので、ドレープをどのくらい作るかに苦戦しました。3回くらい試行錯誤しました。ブライスにはドルマンスリーブは向かないのかな...
パフスリーブ
パフスリーブは原型の袖を分解して好みの膨らみになるように間隔を調整します。
難しそうに見えますが、袖丈と袖まわりが決まれば簡単に作れます。
少し長めのパフスリーブにしてみました。作図はそこまで難しくなかったけれど、ギャザーを縫うのが細かい作業で大変でした。
ラグランスリーブ
ラグランスリーブは肩と袖が繋がった袖で、普通の袖よりも腕を動かしやすいです。
スポーツウェアでよく使われる袖です。
感想
腕の構造は人形によって異なる(腕が垂直方向に動くもの、水平に動くもの、関節も動くものなど色々ある)ので、洋服を作りたい人形が一番綺麗に見える袖を試作しながら作るのがポイントなのかなと作っていて思いました。
袖の勉強はここまでです。
次は衿の勉強に進みます。
衿はさらに細かい作業になりそう...